AKIHIROSUZUKI

スズキアキヒロのブログ

ニコ技深圳観察会に参加してみて

今回の観察会への参加への経緯を話すと、元々持っていた深圳への憧れや、電子機器が大好きだった(使う側)想いが勢いづき、我慢できずに応募してしまった。


"ニコ技深圳観察会"を知るキッカケとなったのは、VRデベロッパーのGOROmanさんのツイッターだ。僕はOculus Riftと360度カメラ(richo theta v)を持っていて、よく360度カメラとoculus riftで遊んでいる。

そんな訳で僕はVRと360度の世界が凄い勢いで成長して行くのが楽しくて頻繁にGOROmanさんのツイッターを確認していた(今でもよくチェックしています)。
そんなGOROmanさんがツイッター上で"ニコ技深圳観察会"事をツイートしてたのが、この観察会を知るキッカケとなった。


今回は深圳への憧れと未来への想いを持ちつつ"第8回ニコ技深圳観察会"へ参加させて頂くことになった。


ここまで読んで"ニコ技深圳観察会"って何?って方はこちらの高須さんのブログを読んでから読み進めていただきたいです。
■ニコ技深圳観察会とは/TAKASUmasakazu
https://medium.com/ecosystembymakers/about-e306f96168b8


1日目〜meet up denner
この日は羅湖の国境を越えてすぐの丹桂轩(罗湖商业城店)でディナーミートアップ。


正直なことを言うと、この時は"ワクワク"が打ち消されるくらい緊張していた、「みんなメイカーなのかなぁ」「若いけど大丈夫かなぁ」とか余計?な心配ばかりしていた。


席に着くなり自分の横にはミクミンpさん、しかも手元にはM5Stack!いろいろ質問したかったが無知な状態での質問は危険と思い、傍観…(いろいろ聞いておけばよかったと後々後悔)


いざ、実食。

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"Moriyama Masaakiさん撮影 Shoot by Ricoh THETA"


そして、見てわかる通り僕のテーブルには"ニコ技深圳観察会"の主催者の高須さん(画像左側にいる猫耳を付けた方)が!
高須さんからは深圳の地下鉄の建設スピードが異常なほど早い話(高須さんの喋るスピードもかなり速い!笑)や、毎週出る白牌のカタログの解説などなど、ご飯を食べながら様々なことを教えていただいた。


青島ビールも美味い、ご飯も最高に美味しい。国境も近い。もし深圳へ初めて来る人に晩御飯をお勧めするのであれば、この場所は間違いない。非常に 好吃 でした!

 

2日目〜観察会スタート

朝8:45分華強北のスタバ集合となっていたが、ホテルの居心地が悪く、早めにホテルから脱出し強北を軽く散歩した。昼間の印象とは違く、朝の華強北は意外と爽やかだった。

集合時間が近づいてきたので集合場所へ。

集合時間になり、バスも到着し一斉に乗り込んだ。ちょっと修学旅行っぽかった。(笑)

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自分はアリペイ(支付宝)での決済だったので一番最後に乗車。通路を挟み高須さんの横に着席。これまた緊張(笑


最初の訪問先"Seeed AMC (Agile Manufacturing Center)"に到着。
お恥ずかしいことながら、こう言った工場へ出入りするのは初めてのことだ。作業場を清潔に保つべく、全員でユニフォーム(作業着)を着込み、いざ見学スタート。

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seeedとはEric Pan氏が2008年に創業した深圳を代表するメイカー支援企業。プリント基板発注サービス Fusion PCBが有名。ウェブでデータをアップロードすると、簡単な基板なら納期1週間以内で仕上げてくれる。

 

Fusin PCBで発注したプリント基板を現地で受け取ることのできる"PickUp"という受け取り方法もあるらしいので、いつか試してみたいと思う。

 

seeedについて非常にわかりやすい記事を今回の参加者”Susumu Takahashi”さんがブログにまとめていたのでこちらの記事を参考にしてください。

ニコ技深圳観察会第8回(Day:1–1)/ Susumu Takahashi

https://blog.hit-u.com/%E3%83%8B%E3%82%B3%E6%8A%80%E6%B7%B1%E5%9C%B3%E8%A6%B3%E5%AF%9F%E4%BC%9A%E7%AC%AC8%E5%9B%9E-day-1-1-da4fc49956b5

 

壁に掲げられたスローガン、社訓?がとても印象に残っている

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 精密機械を扱うだけのこともあり、とてもきれいな会社だった。


他の参加者の方が"不良品"の出る確率について質問していた。

seeedでは厳しい動作確認を行っているため、最終チェックで10-20%ほどはじかれる場合もあるようだが、発注元に不良品が届く確率はほぼ0%だそうだ。

 

次の訪問先はハードウェアのシリコンバレー深圳」に学ぶ-これからの製造のトレンドとエコシステムの著者である藤岡淳一さんが代表を務めるJENESIS へ。


ミーティングルームに入るなり、奥の壁には様々なガジェットがあり、その中に見覚えのあるHMD(ヘッドマウントディスプレイ)が置かれていた。いつの日か深センの華強北で購入したスタンドアロン型のHMDが飾られていた。「ここで作られた物だったのか」と少し感動。(笑)

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藤岡さんからはJENESISのお話や、安価なバッテリーと多少高価なバッテリーの違いを分かりやすくご説明いただいた。安いほうのバッテリーは既定の容量を満たしてなく、また膨張しやすいらしい。

 

生産ライン見学では基盤に加工している人と、液晶パネルを作っている人たちが黙々と仕事をこなしていた。

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エージングルームでは最低3時間の動作チェックが行われているらしく、この時もタブレットが動きっぱなしだった。


エージングルームに置かれる製品がロボットとかになると、かなり不気味な光景になるらしい。(笑)

大量のロボットたちが延々と動き続けている姿を想像すると、確かに怖い。

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ライン見学が終わった後は職員の人たちが実際に食べている食事をみんなで食べることに。米、野菜、肉、汁物があり、とてもバランスの取れた昼食でした。


藤岡さんごちそうさまでした!


昼食の後は軽い自己紹介タイムや質問する時間を挟み、次の見学先へ出発。

 

Factory Tourスタート
地図を見ると中心部から離れたところにこの工場はあった。深センの発展とともに、工場が外側に移っているとは、こういうことなのだろうか。


ガチャガチャ音を立てながらUSBアダプターのケースが作り出されていた。足モノにはそれの素となる素材もあり、今まさにここで作り出されているという様子だ。

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こちらの工場ではキーボードに使われる金属パーツが作られていた。

 

作業をしている人たちがラフな服装で作業をこなしていた。

 

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続いては德普沙井电子城へ。

 

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すごくギークな電子部品が売られていた、半田だけを取り扱っている店や、スピーカーのツィーター部分だけを販売している店などなど。
一人で歩く自信もなかったので高須さんの後ろをついていった。

 

バスに乗り込み次の訪問先"Insta360"へ

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Ricoh Thetaを持っていることもあり訪問を非常に楽しみにしていた。


中に入ると、オフィスの大きさと常駐している社員の数に驚かされた、さすが4年で約200人以上の社員を抱えるまでに成長した会社だ。


オフィス内ではyoutubeやインスタグラムに投稿されたinsta360のコンテンツを閲覧している人や、insta360を分解している人など、マーケティング部と技術開発部の社員が一緒の空間で仕事をしていた。


オフィスの角には今まで作られてきたinsta360のプロトタイプがいくつか飾られており、そのプロトタイプの数からも製品開発スピードの速さを感じることができた。


近くのカフェにてinsta360の歴史や各製品のコンセプトなどのプレゼンを受け…

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"撮影-高須さん"


プレゼンの後、11人の方がinsta360を購入


ここでの決済方法が非常に面白かった、まずshaoさんがpaymoでクレカ支払い用のQRを作り皆paymoクレカ払いで決済、shaoさんが和田さん(義鳥で会社経営をしている社長さん)に個人間送金。和田さんがまとめてinsta360へ送金という流れ。
すごい。


insta360を後にし白石州にて夜ご飯。食べ物が全部美味しい、ビールも美味い。


seeedのEricPanや山寨王、発明家Robin Wuなど様々な人がbeer meet upに登場。


帰りはBYD(電気自動車)のタクシーに乗り華強北の宿泊先へ。とても乗り心地が良かった。

 

3日目~
前日と同じようにバスに乗り込み観察会スタート。

 

まずはCityEasyへ!


"Mandy"-Smart Walking Robot with Wheels and 3D Video Camera, Monitor, WiFi, Bluetooth, Android & iOS APP

 

Mandy深センの銀行で実際に使われているそうだ。

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MandyのWheel部分がこれのような気が…

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他にもテーブルに乗るサイズのロボットから手のひらサイズのロボットなどを見せていただいた。どれもandroidOSが使われていた。

続いてはDobotへ。

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写真、中央にあるのがmagicianオールインワン教育用ロボットアーム。
3Dプリントやレーザー彫刻の精度の高さに驚かされた。
詳しくはこちら↓
https://www.makuake.com/project/dobot-magician/

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近い将来、日本の小中学校でmagicianのようなロボットアームを使った授業が行われるようになるのだろうか。

 

直感的にプログラミングができてしまうDobot Blockly↓

中国語なので何を書いてあるかはわからないが、馴染みやすそうなGUI。パズルを組み合わせるような感覚でプログラミングを学べる。

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Dobotを後にし昼食へ


昼食を食べた場所は深センの南山区。バスを降りるなり目の前にテスラモーターズの車とシェアサイクル(mobikeとofo)が駐車されていて思わずパシャリ。

自分の住んでいる北海道ではまず見ることができない光景だ。

 

テスラモーターズの車には強い憧れがある。(笑)

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全速力で昼食を食べトイレを済まし次の訪問先へと向かう。


※明確なトイレタイムがないため、行ける時に行っておかないと後で大変なことになるので大半の人がトイレへ向かう。南山区のトイレはキレイだった。


午後一発目の訪問先はこちら"HoneyComb"

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いろいろな音を奏でている電子部品の塊のようなものから、くるくる回り続ける観覧車のようなモノがあったりと、見ていて楽しかった。

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10分少々見学させていただき次の場所、ソフトウェア産業基地エリアへ。


高層ビルが立ち並び、道もきれいに舗装され、街自体かなり新しい。
特許取得の際の相談所や、VCのオフィス、メイカースペース、テンセントの新社屋などがあった。

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テンセントの新社屋。なんという形と大きさ。

 

続いてはKANDAOへ

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https://www.kandaovr.com/en/


KANDAOでは360°ビデオ、写真、タイムプラスが撮影可能なObsidianシリーズと、CESのInnovation Awardを受賞したQooCamを実際に見せていただいた。

こちらはObsidian。

こちらで撮った映像をViveFocusで見せていただいたが鮮明で没入感が高かった。

Obsidianは個人で買うには高すぎるので、5月頃Kickstarterにて販売が予定されているQooCamの方を手に入れたいと思う。

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続いては"X.factory"へ

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X.Factoryの周りは現在進行形でビルが作られていた。調べによると大手不動産会社と協力しメイカーの為の街を作ろうという計画だそうだ。中国らしく、深圳らしい。


ハードウェア開発を深センで行う際のメリットや深圳に多く存在する工場分布図等々。

確かに向上が近ければ部品調達も迅速に行える。今までは”深セン速度”を体感してきたが、深センのスピード感を頭の中で理解することができた。

とてもいいプレゼンでした。

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いろいろと盛り上がっているうちに時間になり次の場所へ。


続いては"Xiaomi旗艦店"


アップルストアを彷彿させるような外観と、店内の明るさ。

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ここへの移動中に高須さんが「この観察会はほぼボランティアです。皆さんガジェットにお金を使ってください」と言っていた。(笑)


冗談交じりだったのかもしれないが、ガジェットへの愛を感じた。


皆いきいきしながら店内へ。


店内にはスマホからダンベルまで様々なものが売られていた。


皆と「これはどうやって使うんだろう?」とか「キーボードのタイプ音が意外と大きい」とか「この空気清浄機はアレのパクリだろう」とか、そんな話がとても面白く楽しかった。
観察会開始から2日目の夜だったこともあり皆さん少しお疲れの様、美味しい中華料理とビールを飲み地下鉄で宿泊先へ。

 

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4日目~
この日は15時頃から観察会がスタートする予定だったので、その前に伊藤さんが主催する「深セン大学学食ツアー」に参加。


華強北から深大近くまで行き、そこからshaoさんとofoにまたがり深セン大学西門へ。


学食はwechat payなどで決済することはできず、お金がチャージされた学生証のみでしか支払うことができない仕組みになっていた。

wechat payなどを使えるようにすると学食の価格が安いため学校関係者以外の人が押し寄せてしまうらしい。(伊藤さん以外の僕たちも部外者ですが…(笑))

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さすが学食、とても美味しかったです ^^)


伊藤さんごちそうさまでした!


学食を食べた後は学内を歩き深セン大学のグッズストアにて買い物。深大Tシャツ購入。


華強北へ戻ります。


続いてはハードウェアアクセラレータ"HAX"へ

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HAX出身のハードウェアメーカーで今まで資金調達に失敗したプロダクトは一つもないらしく、HAXがハードウェアスタートアップの憧れのアクセラレータだということはプレゼンやHAXの空気感から伝わってきた。

華強北の真ん中にあり、またメイカーのエコシステムの中心に存在するアクセラレータのように感じた。

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M5stackのCEO、Jimmy

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全員でM5StackのTシャツを着てパシャリ。


M5StackのHAX内にあるオフィスを見学させていただき、最後のミートアップ会場のSeg Makerへと向かう。


"SegMaker”

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"SegMaker"の下にある会議室のような広い部屋にて最後のミートアップが行われた。


高須さん、伊藤さん、Shaoさんがプレゼンの準備をしている間に、1分間でこの観察会に参加してみての感想を述べる。


深センのスピード感を日本に持って帰りたい」「これはこうでなくてはいけない、という概念が壊された」などなど。

 

伊藤さんからは"イノベーション加速都市深セン"
古代中国の4大発明から2017,2018年の新4大発明(高速鉄道、アリペイ、Eコマース、シェアサイクル)。南山ソフトウェアパークは今後どのように化けるのか。などなど。


Shaoさんからは"ネットサービスから見る中国のイノベーション"
想像以上に中国のネットサービスは進化していた。ただ都市部ではネットサービスはフルに活用できると思うのだが、農村部やまだ開発の進んでいない地域とでは、サービスの差ができてしまうのではないのだろうか。そんなにネットサービスに移行して大丈夫?と少し心配。

今回の観察会でとても感じたことだが、中国でスマホなしでは生きていくことは非常に不便で難しいだろう(現金支払いが不可の店もあるくらい)


どちらにせよ、革新的かつ実験的なネットサービスをすぐ社会に実装する速度感はすごい、だめなら消えるし、良かったら残り続ける。中国に住んでいる人は新しく登場していくネットサービスを使いこなしているのだろうか。


高須さんからは"僕たちが起こせるマジック"
イノベーションの起こし方や、モノづくりによって生まれる共通言語やコミュニティ。熱意によって製品が作り出され、コミュニティが派生していく。コミュニティが生まれるとハードウェアでもソフトウェアでもみんな(オープンソースコミュニティ)で進化させていく。深センで今起きていることが合理的であり、とても早いスピードで生態系が進化し続けていると感じた。

モノと人との関係、構造理解、人と人との関係"が新しい時代やイノベーションを産み、小さな変化の繰り返しこそが大きな変化への1歩だと感じた。

 

変化を恐れてはいけない。

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www.youtube.com

今回の観察会を通して今まで以上に深圳への興味が深まりました。


第8回ニコ技深圳観察会に参加する事が出来て本当に良かったです。短期間ではあったものの、自分の心が揺れる瞬間が何度かあり早く深圳に住みたいと思うようになりました。


わからない事が多い中、色々なことを教えて下さった参加者の皆様。JENESISの藤岡さん。そして何よりもこの"ニコ技深圳観察会"を企画して下さった高須さん。本当にありがとうございました!

自己紹介

— 自己紹介

・本名 鈴木陽大(スズキアキヒロ)

・年齢 22歳

・居住地 北海道札幌市

・所属大学 札幌大学経営学部専攻

・趣味 写真、空撮、VR、DJ


 — 何やってお金を稼いでるか

写真撮影、映像制作の仕事と学生アルバイトをしています。

作品

https://www.flickr.com/people/156039161@N05/

https://www.instagram.com/akihirosuzuki_/


 — 好きで作ったもの、好きでやってること

過去にドローンに夢中になっていた時期があり、レース用ドローンを製作しました。


 — ハードウェアのシリコンバレー深圳に学ぶ およびメイカーズのエコシステム感想 

 

ハードウェアのシリコンバレー深圳に学ぶ

この本を読み、深センを学びました。深センが製造業の集積地として発展を遂げた10年間が著者の実体験を元に書かれており、資料のような本でした。

白牌、貼牌、山寨、方案公司などの深セン(中国)で発展していった製造業の仕組みや、深センで作り上げられていったエコシステム、深センの過去、実状を知ることができました。

そしてハードウェアの集積地として世界中から深センへ人が集まっていく中、日本という国にいながら何ができるのか、かつての製造大国日本はこのまま衰退してしまうのか、という疑問を持っていましたが、本の最後にこう書かれていました「深センのエコシステムを活用すること」。とても考えさせられました。それと同時にとてもワクワクしました。文中には実際に深センに住み、仕事として深センと関わらなければ体験できないような情報が多く、将来のことを考えるうえでとても参考になりました。

いつも勢いで中国への渡航を決め、深センのスポットが当てられている部分ばかりに気を取られていましたが、この本を通して深センの裏側や歴史にも目を向けるきっかけとなりました。

 

メイカーズのエコシステム

メイカーという言葉の意味や、基盤の少数ロッド生産が可能なseeedの流れから、深センの発展史、メイカーから見た深センの価値など、読むとメイク魂に火が付く本でした。恐らく、この本を読んだメイカーの人々は深センへ行きたくなっているかと思います。

第一章に、まずはメイクしてみるという精神が大事であり、その向こう側に製作者にしかわからない感情が芽生えると書かれていました。

実際に何か完成させたときの感動や、うまく動作した時の達成感は多くの人が体験したことのある感情だと思います。メイカーではない自分自身も「モノと人との関係」に非常に共感し、メイクすることの意味が強く伝わってきました。

また深センにはスタートアップを支えるようなエコシステムがすでに成立している地域であり、新しいアイデアを持つ人間がチャレンジしやすい環境にあるということも読み取れました。メイカーにとって深センはどれだけワクワクする街なのだろうか、と考えさせられました。